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「TRK-820」についての肝疾患に伴うそう痒症を適応症とする共同開発及び販売に関する契約の締結について
2006年9月4日
東レ株式会社
日本たばこ産業株式会社
鳥居薬品株式会社
 東レ株式会社(本社:東京、社長:榊原 定征、以下「東レ」)と日本たばこ産業株式会社(本社:東京、社長:木村 宏、以下「JT」)および鳥居薬品株式会社(本社:東京、社長:松尾 紀彦、以下「鳥居薬品」)は、東レの医薬研究所で研究開発し、現在、国内の血液透析患者におけるそう痒症を適応症として共同開発中にある止痒薬「TRK-820」(東レ開発番号)について、新たに、国内における肝疾患に伴うそう痒症を適応症とする共同開発及び販売に関する契約を、本日締結しました。

 肝疾患に伴うそう痒症は、炎症などを伴わない全身または局所性の強い痒みで、はっきりとした原因は不明です。痒みのひどい患者さんでは、痒みのために夜間十分な睡眠がとれず、Quality of Life(QOL)が問題になっています。この痒みは従来の止痒薬では十分に抑えられないことが知られており、有効な薬剤の開発が望まれていました。

 今回の契約は、肝疾患に伴うそう痒症を適応症とするもので、「TRK-820」は従来の抗ヒスタミン薬などとは異なる新規メカニズムを有するκ(カッパ)オピオイド作動薬であり、既存薬では効きにくい痒みに対しても有効性を示すものと期待されています。

 本契約締結により、TRK-820は、現在進行中の血液透析患者におけるそう痒症治療薬としての開発と同様、肝疾患に伴うそう痒症についても、東レとJT グループが共同で開発を行い、鳥居薬品が販売を行います。
 なお、3社で共同開発中の血液透析患者におけるそう痒症を適応とした「TRK-820」の国内における臨床開発は、現在検証的試験の最終段階にあり、順調に推移しています。

 「TRK-820」の詳細な特徴等は以下のとおりです。

1.  TRK-820 の特徴

TRK-820は、κ(カッパ)オピオイド受容体に選択的に結合して、作動活性を示すことによって止痒活性を発現するという、従来の抗ヒスタミン系の止痒薬とは異なる新規のメカニズムを有する新規化合物です。従来の抗ヒスタミン系薬剤では抑えられなかった痒み伝達系神経を抑制するとともに、オピオイド系の痒み発症のメカニズムを抑えることにより、既存薬では効きにくい痒みに有効性を示すものと考えられています。

2.  オピオイド受容体について

受容体とは細胞膜上にあり、薬物が結合して生体反応の引き金を引く部分です。受容体は体内に多種類存在し、その種類によって、結合できる化合物や結合後発現する薬理作用が全く異なってきます。オピオイドも受容体に結合して反応を示す薬物の1つであり、その受容体がオピオイド受容体です。オピオイド受容体の発見当初は、受容体は1種類であると考えられていましたが、その後の学問の進歩により現在ではμ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)の大きく3種類の受容体に分類できることがわかっています。

3.  作動薬とは

受容体を標的にする薬は、作動薬と拮抗薬に分けられます。作動薬はその受容体を活性化もしくは刺激して、細胞の活動を増減する反応を誘発します。

<会社概要>

東レ株式会社
本社 【住所】東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
社長 榊原 定征(サカキバラ サダユキ)
資本金 96,937百万円(2006年3月末現在)

日本たばこ産業株式会社
本社 【住所】東京都港区虎ノ門2丁目2番1号
社長 木村 宏(キムラ ヒロシ)
資本金 100,000百万円(2006年3月末現在)

鳥居薬品株式会社
本社 【住所】東京都中央区日本橋本町3丁目4番1号 トリイ日本橋ビル
社長 松尾 紀彦(マツオ ノリヒコ)
資本金 5,190百万円(2006年3月末現在)

【お問い合わせ先】
東レ株式会社
広報室広報課  TEL.03-3245-5179

日本たばこ産業株式会社
IR広報部 TEL.03-3582-3111(代表)

鳥居薬品株式会社
経営企画部(広報担当) TEL.03-3231-6814
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