フサン

製剤

質問1. フサンは生理食塩液で溶解してもよいか?

回答1.

フサンのバイアルに直接生理食塩液を加えないでください。白濁または結晶が析出する可能性があります 1)
生理食塩液を使用する場合は、フサンを5%ブドウ糖注射液または注射用水で完全に溶解し、その後生理食塩液に混合ください。

  1. 1)添付文書 【注射液の調製法】 4.溶解時の注意

安全性

質問2. フサンの主な副作用は?

回答2.

フサンの効能効果が下記3つあり、それぞれの副作用を下記に示しました 1)

『(1)膵炎の急性症状の改善
6,732例中117例(1.74%)に副作用が認められ、その主な症状は、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を含む肝機能異常55件(0.82%)、発疹、 痒感等の過敏症状23件(0.34%)、高カリウム血症等の電解質異常14件(0.21%)などであった。(再審査終了時)

(2)汎発性血管内血液凝固症(DIC)
3,602例中241例(6.69%)に副作用が認められ、その主な症状は、高カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常185件(5.14%)、肝機能異常53件(1.47%)、過敏症状11件(0.31%)などであった。(再審査終了時)

(3)出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止
4,053例中48例(1.18%)に副作用が認められ、その主な症状は、嘔気、嘔吐等の消化器症状41件(1.01%)、過敏症状9件(0.22%)などであった。(再審査終了時)』

重大な副作用、その他の副作用については添付文書を参照ください。

  1. 1)添付文書 【使用上の注意】 4.副作用
質問3. フサンによるアナフィラキーショックの機序は?起こったときの対処法は?

回答3.

フサンのアナフィラキシーショックは、フサンの代謝物であるp-グアニジノ安息香酸(PGBA)あるいは6-アミジノ-2-ナフトール(AN)がヒト血清アルブミンと結合することにより高分子化することで抗原性を示すことによりおこるⅠ型のアレルギー反応と考えられます 1)

フサンのアナフィラキシーショック特有の対処法はなく、通常のアナフィラキシーショックへの対処法をとってください 2)

  1. 1)フサン特異IgE測定キット有用性調査集計結果(2009年10月~2015年12月)
  2. 2)日本アレルギー学会 アナフィラキシーショックガイドライン
質問4. フサンによるアナフィラキーショックを防ぐ方法は?

回答4.

アナフィラキシー、アナフィラキシーショックを発現した症例は、フサンを再使用する機会の多い血液体外循環の適応で多く報告されています。現在のところ、フサンによるショックおよびアナフィラキシー様症状を確実に回避する手段はありません。しかし、重篤なアナフィラキシーショックを発現する以前のフサン使用時に瘙痒感、発熱や好酸球増加等のアレルギー症状を認めた症例が報告されています。このことから、ヘパリン等使用の透析時と比べて、フサン使用時にアレルギー症状が認められた場合には、その後のフサン使用においてより重篤な副作用を発現する可能性が考えられますのでご注意ください 1)

フサン投与時には、フサンに対する「アレルギー歴」について十分な問診を行ってください。またフサンを投与する際には、予めショックの発現に備え、救急処置がとれる様準備してください。フサン投与開始後は観察を十分に行い、ショックおよびアナフィラキシー様症状が発現した場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行ってください 1)

  1. 1)フサン 適正使用のための副作用症例集 P.15-16
質問5. フサンによる高カリウム血症の機序は?対処法は?

回答5.

フサンの高カリウム血症のメカニズムのひとつとして、フサンおよびその代謝物が腎臓の皮質集合管細胞の管腔側膜に存在するナトリウムチャネル活性を阻害する結果、二次的にカリウムの分泌が抑制されることが考えられています 1)
対処法は、フサンの投与を直ちに中止し、カリウムを含む輸液を使用している場合、カリウムを含まない輸液に変更してください。また、必要に応じてナトリウムの補充を行ってください。カリウム保持性利尿薬等を投与している場合は中止してください。心電図所見等の確認を十分に行い、不整脈の誘発についても注意して経過を観察してください 2)

  1. 1)武藤重明 医薬の門 41(1) 34-39 2001
  2. 2)フサンをご使用いただくにあたって「高カリウム血症」
質問6. フサンによる静脈炎、血管炎の対処法は?

回答6.

フサンの投与部位に異常(血管炎(静脈炎)、血管外漏出等)が認められた場合、本剤の投与部位を変更または投与を中止して下さい。
その後の処置としてフサン特有の対処法はありません。
一般的には患部冷却とステロイド外用剤の塗布またはステロイド局注が行われます 1),2)

  1. 1)田村敦志 medicina 40(6) 1002-1005 2003
  2. 2)北村彰英ほか 南大阪医学 42(1)1-11 1994